砂糖健康学入門 III

検証の結果
 現代の社会は、子供の世界にも肥満、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病など、栄養摂取と健康に関する問題があふれています。子供の栄養摂取には成長や発達が大きく関わってきますから、大人以上に厳しく検証する必要があります。
  この本で検証してきたように、子供の体や脳のエネルギー源となる炭水化物の中で、砂糖はもっとも速く消化吸収される速効性のエネルギー源であり、子供の体や脳の発育に有効であることがわかります。また、砂糖は約2000年もの歴史を持ち、人類にとってつき合いの長い馴染み深い食品。子供の大好きなお菓子の材料や料理の味付けはもちろん、飲み物の甘み、苦い薬の糖衣錠などさまざまな分野で、子供たちの生活に深く浸透しています。さらに、砂糖の甘みには、自然に心をリラックスさせてくれる効果もあります。
  しかし、どんなに砂糖がよい食品でも、食べ過ぎれば肥満や虫歯などを引き起こすことは事実。自分にとっての適量を考え、多くの食品をバランスよく食べることが必要です。情報があふれている現代、子供が自分で健康によい食品を選び、量をコントロールするのは、大変難しいことです。「砂糖=子供の肥満や虫歯の原因」という一方的なイメージに惑わされることなく、生活者の皆さんが正しい情報を持ち、適切な食生活やライフスタイルを子供たちに指導していくことが求められています。

 現在、世界のさまざまな機関で、砂糖に関する研究が広く展開されています。そのような世界の状況に呼応し、日本でも砂糖を科学的な視点でとらえ、生活者の皆さんに正しい砂糖情報を身近な形で提供しようと、1997年(平成9年)に「砂糖を科学する会」が設立されました。砂糖は、人類の暮らしになくてはならない食品です。砂糖本来の価値をもっと知っていただくために、各分野の専門家が結集。砂糖と健康に関する俗説を検証し、世界的に権威のある専門機関による科学的検証をわかりやすく解説することなどを中心に、多彩な活動を行っています。今後も、砂糖の持つ優れた可能性を探求し、豊かで健康な未来に貢献するよう、活動を続けていきます。


ご取材にご協力いただいた先生方

協力  社団法人 糖業協会 精糖工業会 独立行政法人 農畜産業振興機構



backnext