砂糖健康学入門

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MS RD Rita Tsay MS RD Rita Tsay
マサチューセッツ工科大学 臨床医学研究所主任研究員 理学博士
 1972年台湾フーゼン大学卒業。ミズーリ大学研究員、マサチューセッツ州クインシィー市立病院研究員を経て、'80年より現職。各種疾病に応じた栄養摂取の方法論を研究。大学の臨床部門にて入院患者への栄養コンサルタントとしても活躍。

砂糖と心の健康
 神経伝達物質のひとつに、摂取量を減少させ満腹感を出させるセロトニンという物質があります。セロトニンはトリプトファンというアミノ酸から作られ、うつ、不安、緊張などから解放したり緩和してくれる働きがあります。このセロトニンを介して脳に働くのが炭水化物です。

  炭水化物の不足は、月経前症候群、季節性の情動不全、禁煙時のイライラを起こすメカニズムであると考えられています。ストレスや情緒の不安定などがセロトニンの供給を阻害し、脳内のセロトニンが不足して気分障害を起こすのです。このような状況にある人は、たくさんの甘いものかデンプン質を摂る傾向があります。これはマイナスの気分の状態を覆そうとしているためで、無意識に炭水化物を摂ることで血中のセロトニンレベルを上げているのです。甘いものを摂取すると、これが引き金となってインスリンがすい臓から出てきます。

  インスリンは血糖値をコントロールする物質ですが、細胞に糖分を到達させるための調節もしています。この働きにより血中の糖が筋肉細胞等にくっつき、トリプトファンは血中を循環していくことになり、より多く脳に届くことになります。その結果、セロトニンが多く脳の中で作られます。

  糖分やその他の炭水化物を摂取すれば、トリプトファンの働きで脳のセロトニン水準が上昇し、精神的健康に肯定的影響を与えてくれるのです。

砂糖と健康・東京フォーラム(2000年6月)


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